労務管理で覚えておかなければならない年齢に関するルール

労務に関する基本事項

法改正の話が続いていますが、ここでちょっと一息ついて給与計算や手続きに必要な年齢に関するルールのお話をいたします。次回の雇用保険改正の話題にも関連しているからです。

私は新任担当者研修や社会保険・労働保険のセミナーで必ず年齢に関するルールのまとめをしています。「40歳はわかります、介護保険!」と最初は皆さん元気良くスタートするのですが、64歳や65歳になると分かっていない方が多いようです。これからの高齢化社会において60歳以上の従業員がどんどん増えてきます。定年年齢もいつか70歳になるかもしれませんね。年齢ルールは従業員だけではなく社長や役員、また被扶養者についてもかかわることがあるのです。正しい知識を押さえて、改正に備えましょう。

年齢ルールの大前提

これから出てくる年齢「○歳に達した日」とは誕生日の前日をさします。一般的には誕生日こそが○歳に達した日というイメージがあるかもしれませんが、法律では実は前日なんです。ただし、これからお話しする年齢ルールの中で、一種類だけこの前日ルールと違うものがこれから出てきますので、その際にはご注意くださいね。

40歳:介護保険料徴収開始

40歳に達すると介護保険の第2号被保険者となり、介護保険料の徴収が始まります。40歳に達した日、すなわち40歳の誕生日の前日の月から徴収スタートです。特に注意していただきたいのが1日生まれの方です。10月1日生まれなら40歳に達するのは9月30日・・・つまり9月分から介護保険料徴収開始です。

64歳:4月1日において64歳なら4月分から雇用保険の徴収不要(※改正が予定されています)

現行法では4月1日で64歳(すなわち、この年度中に65歳に達する人)は免除高齢者といって雇用保険の被保険者ではあるけれども保険料は免除されています。この年齢ルール、結構忘れられがちなのでご注意ください。そして労働保険の年度更新の際にも、免除高齢者の賃金は除いて保険料計算を行います。

ただしこの保険料免除制度は平成29年1月1日の雇用保険法改正に伴い無くなります。しかし激変を避けるため猶予措置が設けられました。平成31年度までは免除です。詳しくは次回雇用保険法改正のブログでお話します。

65歳

①介護保険料徴収不要

②雇用保険の被保険者とならない(※改正が予定されています)

③退職した場合、失業給付が一時金(高年齢求職者給付金)となる

①65歳に達すると介護保険の第1号被保険者となり、介護保険料は自分の年金から徴収されるようになります。(老齢基礎年金が支給されますからね) 保険料は免除される訳ではありません。二重徴収なんてことにならないように、給与計算時にはご注意ください。また1日生まれの方も注意です。

②65歳以降に入社した方は週20時間以上働いたとしても、もう雇用保険の被保険者とはなりません。ただし64歳以前に雇われて65歳を迎えた方は前述した免除高齢者のままです。

この雇用保険の部分は平成29年1月1日から改正となり、新しく65歳以降入社した人も【高年齢被保険者】となることになりました。この部分も次回雇用保険法改正ブログで詳しくお話します。

③64歳以前に会社を退職すると失業の給付(基本手当といいます)が退職理由と勤務した年齢により支給されます。28日ごとにハローワークに行って求職活動の報告をして給付をもらいます。しかし65歳以降に退職すると高年齢求職者給付金として被保険者期間が1年未満なら30日分、1年以上なら50日分一時金で出て終わりです。

70歳:厚生年金保険料徴収不要

70歳になると厚生年金の資格喪失となります(健康保険は喪失しませんよ!)。ここも1日生まれの方はご注意ください。年金事務所から該当の方について書類が届くので資格喪失手続を行ってください。しかし、70歳を超えて被保険者のままの方については70歳以上の各種届け出(算定・賞与・月額変更等)の提出が都度必要となります。70歳以上の従業員の方はまだ少ないかもしれませんが、気をつけて欲しいのは社長や役員の方です。

75歳:後期高齢者医療制度に移行(※ここだけ誕生日)

75歳の誕生日(ここだけ前日ではありません)から健康保険が後期高齢者医療制度に移行します。被扶養者についても同様なので、ご両親を扶養にしている従業員がいる場合ご注意ください。

 

年齢ルールは特に高年齢になるほど色々あります。通知がくるものもあれば、給与ソフトで判定してくれるものもあります。しかし64歳については私の給与ソフトには年齢判定機能はありません。毎年4月1日に自分で64歳以上の方を抽出して免除にしています。給与ソフトにもし機能があるとしても、設定がきちんと出来ていることが大前提です。高年齢の従業員が多い、社長や役員に高年齢者がいる・・・という企業の担当者の方はこの年齢ルールを忘れないようにしてください。次回は今回の年齢ルールが改正されるという雇用保険改正についてお話いたします。

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