平成28年10月からの最低賃金発表

法改正

毎年10月になると新しい地域別(都道府県別)最低賃金が適用となります。今年もほぼ全国出揃いました。平成28年10月からの地域別最低賃金は関東近県でいうと東京932円、神奈川930円、埼玉845円、千葉842円となっています。平成27年と比較して25円アップ!この4県については発効日は10月1日となっています。詳しくは地域別最低賃金の全国一覧(厚生労働省)をご覧ください。他の地域には発効年月日が異なるところもありますのでご確認ください。

事業主の皆様、アルバイト・パートの皆さんが最低賃金を下回っていないか至急チェックしてください。10月1日以降、この金額を下回っていたら罰則(50万円以下の罰金)ありです。

最低賃金が適用となる労働者とは

最低賃金は社員、パート・アルバイト・臨時雇い・嘱託など名称にかかわらず、原則としてその都道府県で働く全ての人に適用となります。ただし、一般の労働者より著しく労働能力が低いなどの場合には事業主が各都道府県の労働局長の許可をもらって最低賃金の減額をすることが認められています。(例:精神または身体の障害により著しく労働能力の低い方など)

最低賃金は二種類ある

最低賃金は前述した【地域別最低賃金】と【特定最低賃金】があります。地域別最低賃金は産業や職種にかかわり無く全ての事業場で働く方々に適用します。特定最低賃金は特定産業について定められている最低賃金です。(例:鉄鋼業など)

どこの最低賃金が適用となるのか

事業所が一つの都道府県内だけなら分かりやすいのですが、支店などが各都道府県にある場合どうなるのでしょう。この場合は本社ではなく、支店の所在地の地域別最低賃金が適用となります。また、派遣労働者の場合は、派遣元ではなく派遣先の最低賃金が適用となりますのでご注意ください。

月給者の場合の最低賃金はどうやってチェックするのか?

時給者は時給と最低賃金を比較するだけで分かりやすいのですが、月給者の場合はどう考えたらいいでしょうか。答えは【時給に換算する】です。その際に、次の賃金は除外して考えます。

1.臨時に支払われる賃金

2.1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金

3.時間外割増(休日・深夜割り増しも含む)

4.精皆勤手当、通勤手当、家族手当

これらの賃金を除外して次の式により時間給を算出します。【月給÷1ヶ月の所定労働時間】

月給者の最低賃金を算出したことの無い事業所も多いと思います。まさかの最低賃金割れとならないように、月給者もちゃんとチェックしておきましょう。なお、日給者の場合には【日給÷1日の所定労働時間】で算出します。

いつから適用になるのか

例えば前述の東京都は10月1日から適用となります。ここで賃金の締め切りにも注意してくださいね。例えば勤怠が9/16-10/15という15日締めで25日払いの場合、9/16-9/30までは前年の最低賃金が適用となり、10/1-10/15は今年の最低賃金が適用となるのです。最低賃金ギリギリの設定の場合、賃金締め切り期間の間に2つの時給が存在すると言う事態もありえます。給与計算がやや面倒くさいことになります。

 

東京都の地域別最低賃金は、平成25年869円→平成26年888円(19円アップ)→平成27年907円(19円アップ)→平成28年932円(25円アップ)と推移してきました。今回は特に大幅アップです。来年はもしかしたら950円を超えるかもしれませんね。いずれにしても毎年9月中旬位から最低賃金チェックを忘れないようにしてください。罰則の適用なんて嫌ですものね。ギリギリの時給設定にしている事業所様は要注意です。

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